契約どおり工事が進んでいるか否かは建築主の責任で行う必要があるのですが、建築基準法では『建築主は建築士である
工事監理者を定めなければならない。』としています。したがって、建築工事には必ず【工事監理者】がいて建築主に代わって
設計図書どおりに工事は実施されているかどうかをチェックする仕組みになっているのです。
この【工事監理】こそが手抜工事を防止する有効な手段でもあります。又、建築主に代わってチェックをする訳ですから
出来れば施工を行っている会社以外の第三者に依頼をした方が理想的だと言えます。
建築基準法により施工の中間、完了時に法的な検査があります。又、住宅金融公庫の融資を利用する場合も中間時に検査がありますが、
これらの検査はそれぞれ『建築基準法』『公庫の定めている基準』に適合しているかをチェックするもので、施工会社との工事請負契約の
図面や細かな仕様等のチェックを行うものではありません。
工事段階のチェックポイント
【地縄張り(地鎮祭)】・・・敷地に建物の位置を示す作業を行う
→ 隣地との境界や駐車スペ−ス、庭のスペ−スが分かります。
【基礎工事】・・・建物の荷重を均等に地盤に伝える下部構造
→ 鉄筋の配筋状態や基礎の寸法は図面どおりか確認
【木工事 〜 屋根工事】・・・木工事は工事費の約1/3を占める構造体
まず主要な骨組み(柱、梁等)をつくり、次に補強材(筋違い、間柱等)を施し小屋組、床組へと進む。
さらに屋根や壁、床下地を施す
→ 基礎と土台がアンカ−ボルトで緊結されているか確認
→ 構造部材の緊結には補強金物が適材適所に使われているか確認
→ 屋根防水の為の防水紙の剥がれや破れ、重ね部分を留め金でしっかり固定しているか確認
→ 地面から1m以内の範囲でシロアリを防止する薬剤は塗布されているか確認
【断熱工事】・・・住宅を断熱構造にする事で省エネを図る
→ 床、壁、天井の裏に隙間無く充鎮され、ずれ落ち無いようにしっかり固定されているか確認
【電気設備工事】・・・主として電気配線に関わる工事
→ コンセントやスイッチの位置及び種類の確認
→ 分電盤のアンペア数の確認
【竣工時】
→ 内部、外部の建具の開閉状態に不具合は無いか確認
→ 台所、浴室、洗面所、便所等、水廻りの給排水に不具合は無いか確認
→ 電気、ガス器具は正しく作動するか確認
→ 内部、外部の仕上材に汚れなど無いか確認
→ インタ−ホンや門灯等が正しく機能するか確認